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気候変動に対する海岸堤防の嵩上げ対策

シュレースヴィッヒ=ホルシュタイン州は気候変動に向けて対策を予定。州を高潮から守るため、北海やバルト海、並びにエルベ川河口地域における海岸堤防がここ数年にかけて強化される。その為、連邦、州およびEUは約2億ユーロ (約230億円)を投入予定。

これにより、シュレースヴィッヒ=ホルシュタイン州は、海面水位の上昇に伴い高潮からの危険度が高まることに備える。当該対策については、州政府においてすでに閣議決定されている。

しかし、気候変動がどれだけ海面水位に影響を及ぼすかについてはまだ明確になっていない。予測によると2100年までには0.2から1.4*メーターの上昇という結果が出ている。新規の海岸保全総合計画には、安全を期すためにも今から堤防を “気候変動分の割増” として通常の設計値よりも50㎝の嵩上げが予定されている。

* 当該記事では14mとの記載されているが他の記事では1.4mとあるので修正。

その結果、堤防の嵩上げは技術的及び財政的にも非常に要求度が高くなる。往々にして堤防の嵩上げに対し、堤防基礎の安定性が問題になるケースがある。従って、多くの海岸保全工作物は、場所によっては10メートルほどの基礎柱を打ち込んでいる。

また堤防は、シナリオに応じて簡単かつコスト有利に更なる嵩上げが可能となるよう強化される。そのため建設費は20%ほどアップするが、当該 “建設予備対策” については連邦と州の海岸保全に対する特別プログラム予算から捻出される。
Baureserve
シュレースヴィッヒ=ホルシュタイン州の約4分の1 が高潮による危険にさらされており、“気候変動に対して堤防をさらに安全にすることはここ数百年の課題” であるとハーベック氏は述べている。堤防がなければ浸水する潜在的に重大なリスク地域は、西海岸のシルトからヴェーデルのエルベ川まで及んでいる。

危険度の高い海岸低地には35万4千人の住民が住んでおり、当該地域の期待損害値は、ハーベック氏によると480億ユーロになるそうである。海岸に沿って総延長433キロの防御堤防があり、さらに96キロの堤防が海岸低地を浸水から守っている。

2012年にシュレースヴィッヒ=ホルシュタイン州では海岸保全に対して6,490万ユーロを支出している。内訳は、州が1,800万ユーロ、共同課題*から3,560万ユーロ、そしてEUから1,130万ユーロとなっている。

* ドイツ連邦と州の共同課題「農業構造と海岸保全の改善」

2013年は今のところ6,530万ユーロの予算が計上されている。大型対策としては北部海岸(旧Koog地域)、シルト(メーベンベルク堤防)、そしてシルトの前に位置する浸食区域の堤防強化である。海岸堤防強化の約3分の2が西部海岸にて実施され、バルト海ではフェーマン島での対策と東部ホルシュタイン郡のダーメとケレンフーゼンの2区間が議題に挙がっている。

出典及び関連記事:

1. 出版社 A.Beig (A. Beig Druckerei und Verlag GmbH & Co. KG)の記事

2. シュレースヴィッヒ=ホルシュタイン紙の記事

3. シュレースヴィッヒ=ホルシュタイン州環境省の海岸保全に係る記事

最終変更日時 2013年1月14日5:17 PM